紅茶

ティム・ドフェイ氏の「究極の紅茶をいれるために」を実践してみる
 どこかで「美味しい紅茶の淹れかた」を一度でも見聞きした事のある人にとって、常識を覆すような本が出版されました。
 タイトルが「究極の紅茶をいれるために」
 そこで解説されている「究極の紅茶のいれかた」は、なんと蒸らし時間が30秒~最長60秒!
 はたして、一体どんな味の紅茶ができあがるのか?検証してみました。

と、その前に~作成条件と自作秤~

 こちらの本に記載されている紅茶の淹れかたによると、カップ1杯(150ml)あたり、茶葉4g(CTCは3g)蒸らし時間は60秒を限度として、30秒を過ぎたら味見をしていいタイミングで引きあげる事となっております。
 蒸らし時間が短い紅茶がどうなるのか、茶漉しお湯注ぎ法やドリップ紅茶などを見ているととても期待できそうにない感じがするのですが・・・
 これで本当に大丈夫なのか?
 でも、淹れもせずに発言はできません。というわけで、本に書いてあるとおり、淹れてみました。

使用茶葉:ブルックボンド ダージリン(茶園指定ではなく、ブレンドもの)
茶葉量:本のとおり4g
水の量:本のとおり水の状態で170ml
蒸らし時間:60秒

 電子秤がないと正確に茶葉が量れない・・・でも電子秤は高いし。という時に使えるのが「1円玉」です。
 日本の1円玉は、半径1cm、重さ1gという、ちょっとしたスケールをするときに使い勝手のいいものになっています。
 これで「天秤っぽい何か」があればお手軽に3gや4gの計測が可能です。
 本当は、この「天秤っぽい何か」も公開する予定でしたが、出来上がりがあまりに酷い物体になったのでちょっと控えておきます^^;
 私が作成に利用したのは、折り紙(箱を折る)、紐、割り箸、牛乳パックです。
 アルミは酸化するし厳密に言えば1gじゃないのでは・・・という所が気になる人は電子秤を買いましょう。
 ちなみに、50円玉がぴったり4gだそうです。1円玉がないときにどうぞ。


60秒の衝撃

 熱湯を注いで少し待つと、あっという間に30秒。
 本には「30秒を経過したら10秒毎に味見をして、いいと思ったところで引き上げよう」と書いてありますが、注ぐ→味見→判定 で「うん」とか言ってる間に10秒は経過してしまいます。
 一度30秒で味見用のものを取り分けたのですが、10秒毎にやるのは無理だとわかったので、30秒の味見用と60秒の完成版を作ってみました。こちら
 

結果は・・・

色:少し薄いですが、ダージリンという事を考慮するとよく出たほうですかね。
香り:香りは文句なしです。匂いを嗅ごうとしなくても、ダージリンの甘い香りが、はっきり感じられます。
味:おおかたの予想通りだと思いますが、薄いです。

 香りは出ているし、「お湯だ」というほど薄くもないので、正規の量では苦い、渋いと感じる人、少しでも苦かったり渋かったりするものは飲みたくない、と思っている人にとってはいい紅茶かもしれません。

 ということは、紅茶を薄く淹れたい時は、茶葉の量を減らすのではなく、抽出時間を短くするほうが美味しくできそうですね。これも今度研究してみたいと思います。

 それにしてもこの紅茶、ロンドンで飲んだものに似ている・・・


自問自答など
Q.ロンドンの水(=硬水)で淹れると結果が変わるのではないか
A.確かに変わるとは思う、だが浸透圧の関係で硬水の方が抽出されにくいはずなので、軟水以上に抽出が促進されるとは思いにくい。
一応試してみたけれど、香りすら出ませんでした。

仕上がりはこんな感じ。量は上の半分くらい。
使用水:エビアン 硬度304

Q.硬水で、かつ水道水を使えば違うのではないか
A.水道水とペットボトルで、そこまで致命的な違いがでるとは思えない。また、日本で硬水の水道水が手に入る場所はごくまれであるため、その条件でなければ美味しく淹れられないのなら「おおむね日本では淹れられません」と自ら言っているようなもの。

Q.もしかして1分とは、硬水で紅茶を入れたときに油膜がはらないギリギリの時間なのか?
A.・・・と思って硬水版を3分置いてみたけど、油膜は張りませんでした。
エビアンだからなのか、ダージリンだからなのか、ペットボトル水だからなのかは不明。

常識を覆す?こんな予想をたててみる

  • 約1分の蒸らし時間
  • 一度蒸らし終えた茶葉の再利用を承認
  • カフェインを取るための手段として、「洗茶」する
 以上のことから、この本は日本でいうところの「中国茶の淹れかた」に近いものがあると思われます。
 思えば英国の紅茶はもともと中国からやってきたものだし、英国ではあまり「紅茶」「中国茶」の区別をしていなかったようなので、シノワズリーな淹れかたとして白・黄・緑・青・紅・黒茶のどれも美味しく淹れられる方法として・・・この方法なのかも?

 またこの本には、淹れ方のほかにも驚きの一文がありました。
 それは、「イギリスには、紅茶を絶対にストレートで飲むべき、という根強い思想がある」という事です。

 英国紅茶=ティーウィズミルク だと思っていたのに、これは驚き。
 気になるのはどのくらいその思想の根が深いかという事ですかね。
 イギリスらしく歴史ある思想なのでしょうか、となると、ビートン夫人の家政書とは違うゴールデンルールが存在?なんてなんて。
 でもその場合、話がずいぶん壮大になってくるので、最近中国茶のブームか何かが訪れて、淹れかたの見直しがされたのかな?という気もします。
 それとも、ティーウィズミルクって、外国の人が「日本人はみんなサムライ」と思っているような幻想だったのかな・・・うーん、ますますわかりません。



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