お茶論争
お茶は薬か害か
 新しい流行が押し寄せた時、それに眉をひそめる輩が居るのは現代も昔も同じようで、流行するお茶に不安感を覚えてか、この頃「お茶が害である」と主張する人が、医師などから現れた。
 オランダでも同様の論争が1世紀ほど前に起こっていたが、イギリスとオランダの違いは、ただ単に体に害である、というだけでなく、「そんな贅沢をする金があるなら貧民の救済にまわせ!」という精神論が論じられた事である。
 特にスコットランドでの反発が強く、当時の指導者フォーブス卿は「食事に不必要なものであり、効果で時間の浪費になるばかりか、人々を柔弱にする」と非難した。
 また、茶を飲んでいる上流階級の男性が華奢である事を指し、「健康で男性的な体にするには不適当である」として、スコットランド各地でビールが推奨された。

思うに・抵抗運動
 私見ですが、この反対運動は、紅茶に対する、というよりは、紅茶を愛する貴族に対する反抗心から生まれた反対運動のような気がします。
 というのも、茶を批判するほとんどが、貴族の事を引き合いに出して「怠惰になる」「不健康に成る」「痩せほそる」などと批判しています。
 当時、決してまだ豊かとはいえなかったイギリスにおいて、中国から高い金を出して買ってきた茶や陶磁器を使い嗜む事は、無駄遣い以外の何事にも映らなかったのではないでしょうか。